この記事の監修者

獣医師 佐古田 良
おおとりい動物病院 院長
大田区のおおとりい動物病院です。
病気の相談、診療のみならず、食餌に関する素朴な疑問、日常のケアなど、どんなことでもお気軽にご相談ください。
| 医院情報 | |
|---|---|
| 病院名 | おおとりい動物病院 |
| 住所 | 〒144-0034東京都大田区西糀谷2-11-5 グランドステータス西糀谷1階 |
| 電話番号 | 03-6423-6747 |
| ホームページ | https://ohtorii-ah.com/ |
2026年2月13日
「最近、愛犬のよだれが増えたような気がする」
そんな風に思っている飼い主さん、いらっしゃいませんか?
おいしそうな食べ物を前にすると、思わずよだれが垂れそうになること、私たちにもありますよね。
それと同じように犬も、おいしそうなものを前にすると、よだれが垂れることがあります。
しかしながら、よだれの量が多すぎるように感じるのであれば、それは愛犬が体の不調を訴えているサインかもしれません。
ここでは、犬のよだれの原因と考えられる病気についてご紹介いたします。
目次
犬のよだれの原因としては、大きく2種類あります。
それでは、それぞれについて少し詳しく見ていきましょう。
心理的な要因とは、自律神経の働きが関係しています。
自立神経には、交感神経と副交感神経があるのはご存知だと思いますが、その2つの神経がお互いにバランスを取ることで、内臓の動き、呼吸の回数、血液の循環などを調節しています。
交感神経とは、興奮状態であるときに優位になり、血管が収縮して血圧や脈拍数が増加します。
一方、副交感神経は、リラックスしているときに優位になり、消化管の蠕動運動や消化液の分泌を促すのです。
皆さんが、「あれっ!うちの子、よだれが多くない?」と感じるときを思い出してみてください。
例えば、ほかの犬との接触が苦手な子であれば、散歩中にほかの犬に会ったとき、ドッグランに行ったときなどや、病院が嫌いな子を動物病院に連れて行ったときなどではないでしょうか?
このようなときによだれが多いと感じるのは、自律神経が優位に働いているときです。
ストレスや緊張を感じている時であるといえます。
このような場合は、病気ではないため、治療の必要性はありませんが、緊張状態にあるわんちゃんをリラックスさせてあげるとよいですね。
これは、匂いといった外部からの刺激に対する反応がよだれというカタチで出ている場合です。
犬は食べ物の匂いを感じると、生理現象として食べ物を摂取する準備として分泌させます。
また口のなかに食べ物が入っているときも唾液の分泌量が増加し、よだれが出るのです。
このほか、体温調節のためのパンティングの際にもよだれを多く分泌させます。
パンティングとは、犬が暑いときに体温を下げるために、口を開けて「はあはあ」という荒い呼吸をする行為のことです。
犬は、私たち人間のように汗をかいて体温を下げることができません。
そのため、パンティングをすることによって体温調節をするのです。
しかしながら猛暑のなか、パンティングをしても体温調節ができない場合があります。
その際には熱中症になる危険性があります。
暑いときの外出時は、こまめに休ませて水分補給をするようにしましょう。
また体を冷やせるように濡れタオルなどを持参したり、外出を控えるなどといった対策が必要です。
室内にいても熱中症のリスクはありますので、エアコンでしっかりと温度管理をしましょう。
特に短頭種は注意が必要です。
このほか、車酔いをすると、吐き気を催してよだれが出る場合があります。
酔い止めの薬の使用やこまめに休憩を取るなどして、わんちゃんの負担を減らす対策が必要です。

上記で示した以外に、よだれが増えることがあります。
異常なほどよだれが出ている場合には病気の可能性もあります。
中毒性物質や化学物質による刺激、消化器の炎症や異物が体内にあるといった場合、犬の唾液の分泌が増えて、よだれが出ることがあります。
過剰なよだれをともなう病気には、次のようなものがあります。
過剰なよだれの場合には、上記に挙げた病気が潜んでいる可能性があります。
それに加えて、泡を吹いたり、歩行ができなくなる、ふらついているなどの症状が出ることがあります。
それでは、病気ごとに注意が必要な症状について見ていきましょう。
胃拡張・捻転症候群は、大型犬や超大型犬の食後に見られることがあります。
対処が遅れてしまうと、血液の循環が悪くなり、ショック状態に陥ります。
場合によっては、命に関わることもありますので注意が必要です。
熱中症は暑いときの屋外に多く見られますが、屋内にいても熱中症にかかることがあります。
暑さにより体温調整ができなくなった犬は、よだれとパンティングが止まらなくなります。
さらに進行が進むと、ふらつきが見られます。
ここまでくると、かなり緊急性が高いと言えます。
てんかんのおもな症状は、てんかん発作です。
その前の兆候として、よだれが挙げられますが、そのほかにも舌をぺろぺろとしたり、落ち着きがなくなりウロウロ歩き回るなどの症状が見られます。
てんかんの発作の途中で別の発作が起きる重積発作、1日のなかで何度も発作が起きる群発発作は、脳へのダメージが大きくなりますので、緊急性が高いと言えます。
吐き気が見られるときには、胃炎や異物誤飲の可能性があります。
誤飲したものに毒性があったり、先の尖ったものである場合には、緊急性が高いです。
犬の口のなかにいる細菌が原因で感染するケースはあります。
犬ジステンパーは、よだれなどが感染経路ですが、ワクチン接種によって予防可能です。
ワクチン接種をきちんと行なっていれば問題ありません。
また狂犬病も唾液に含まれるウイルスが、傷口から体内に侵入することにより感染します。
しかしながら、噛まれなければ感染することはほとんどありません。
こちらも予防接種が義務付けられていますので、予防接種をしておきましょう
パスツレラという細菌が原因となるパスツレラ症は、噛まれたり、唾液を介したりすることにより、人間にも感染します。
気管支炎や副鼻腔炎といった症状が見られるほか、敗血症性ショックで命の危険にさらされることもあります。
犬に口や傷口を舐められないようにするとともに、犬を触ったあとは手を洗うようにしましょう。
犬のよだれも異常なほど出ている場合は、病気の可能性が疑われます。
異常な量のよだれが出ていたり、よだれ以外にも症状がある場合には、動物病院を受診しましょう。
人間にも感染する病原体がよだれに含まれていることもありますので、飼い主さんも気をつけるようにしてください。

獣医師 佐古田 良
おおとりい動物病院 院長
大田区のおおとりい動物病院です。
病気の相談、診療のみならず、食餌に関する素朴な疑問、日常のケアなど、どんなことでもお気軽にご相談ください。
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