この記事の監修者

獣医師 佐古田 良
おおとりい動物病院 院長
大田区のおおとりい動物病院です。
病気の相談、診療のみならず、食餌に関する素朴な疑問、日常のケアなど、どんなことでもお気軽にご相談ください。
| 医院情報 | |
|---|---|
| 病院名 | おおとりい動物病院 |
| 住所 | 〒144-0034東京都大田区西糀谷2-11-5 グランドステータス西糀谷1階 |
| 電話番号 | 03-6423-6747 |
| ホームページ | https://ohtorii-ah.com/ |
2026年3月23日
猫の癌には、いくつかの種類があります。
そのなかでも大きな割合を占めているのが、乳腺腫瘍です。
進行具合により4つのステージに分かれていて、ステージが進むごとに症状も進み、余命が短くなるとされています。
ここでは、猫の乳腺腫瘍について、治療や予防方法についてご紹介いたします。
目次
猫の乳腺腫瘍とは、乳腺にできる腫瘍のことです。
腫瘍には、皆さまご存知のとおり、良性と悪性の2種類があります。
猫の乳腺腫瘍の約8割が悪性といわれています。
そのため早期に発見し、適切な治療を受けることが重要です。
乳腺腫瘍の多くは、雌猫に発症しますが、ごく稀に雄猫にも見られます。
特に10〜12歳の猫は乳腺腫瘍のリスクがもっとも高くなるといわれています。
日頃から愛猫の観察を行ない、定期検診などでも異常がないかチェックすることが大切です。
乳腺腫瘍のリスクが高いのは、中高齢ですが、若い猫にもリスクがないわけではありません。
若いうちから検診や観察の習慣をつけるようにしましょう。

原因は、ホルモンバランスが密接に関係しているとされています。
そのため、女性ホルモンの分泌を行なう卵巣と子宮を切除する不妊手術を早い段階で実施すれば、乳腺腫瘍の発生リスクを低減させられるといわれています。
不妊手術の時期にも注意が必要です。
不妊手術が乳腺腫瘍の発生率に影響を及ぼすのは、生後24ヶ月までだとされています。
その時期を過ぎると、目立った効果は期待できないとされています。
乳腺腫瘍予防のための不妊手術であれば、早い段階で実施することをおすすめします。
このほか、予防法としては、定期的な健康診断も効果的です。
乳腺腫瘍を早期に発見し、早期に治療ができれば、根治することも可能です。
また定期的な健康診断は、乳腺腫瘍以外の病気の早期発見にもつながります。
飼い主さんによる日常的な観察もおすすめです。
猫のお腹の部分を触ってみて、乳首以外にしこりがある場合は、乳腺腫瘍の可能性があります。
胸にしこりがある場合、猫ちゃんは、頻繁にお腹を舐めたり気にする仕草をすることがあります。
日頃から気をつけて愛猫の様子を観察しましょう。
猫の乳腺は、左右に4つずつ、計8つあり、それぞれの乳腺は、リンパ節でつながっています。
そのため、ひとつの乳腺に腫瘍が発生すると、ほかの乳腺に波及しやすく、一度に複数の乳腺腫瘍が起こるケースも珍しくありません。
複数の乳腺腫瘍が認められたケースは、3〜6割にも上っているといわれています。
また猫の乳腺は、腋窩リンパ節と鼠径リンパ節にもつながっています。
そのため、ほかの組織への転移リスクが高いとされています。
乳腺腫瘍の疑いで診察を受けた猫の初診時のリンパ節への転移率は2〜4割ともいわれています。
猫の乳腺腫瘍は、進行度合いによって次の4段階に区分されます。
初期のステージです。
腫瘍の最大径が2cm未満リンパ節への転移や遠隔転移がない状態です。
この時点で発見でき、適切に治療を行なえば、余命は29ヶ月とされています。
腫瘍の大きさは2〜3cmで、リンパ節や他組織への転移が見られない状態です。
ステージIに比べて腫瘍が大きく、多臓器転移率が上がるため、余命は1年ほどとされています。
上記のいずれかに該当する場合、余命は9ヶ月とされています。
腫瘍の大きさが3cmを超えていて、リンパ節や転移もみられる状態です。
末期ステージであり、余命は1ヶ月とされています。
猫の乳腺腫瘍の治療は、大きく2つに分けられます。
乳腺の片側、あるいは両側を切除する外科的治療方法です。
猫の乳腺は、左右つながっているため、乳腺の片側もしくは両側を切除することで、再発防止が可能です。
この治療は、ステージⅡまでに効果的です。
ステージⅢ以上でこの方法をとる場合は、根治が目的ではなく、症状緩和のために行ないます。
ステージⅢ以上の場合、外科的治療を行なった後に行なう治療方法です。
抗がん剤を猫に投与することで、腫瘍の増殖を抑える効果が期待できます。
外科手術単独の場合よりも生存期間が延びたという事例もあります。
ただし、抗がん剤治療には、副作用をともなううえ、すべての猫に効果があるというわけではありません。
かかりつけ医と相談のうえ、治療方針を決めていくことが大切です。
猫の乳腺腫瘍についてご紹介しました。
生後1〜2年以内であれば、不妊手術で乳腺腫瘍はある程度防ぐことができます。
また、腫瘍が早く見つかれば、早く治療をすることができます。
いずれにせよ、乳腺腫瘍について正しく知り、行動に起こすことが大切です。

獣医師 佐古田 良
おおとりい動物病院 院長
大田区のおおとりい動物病院です。
病気の相談、診療のみならず、食餌に関する素朴な疑問、日常のケアなど、どんなことでもお気軽にご相談ください。
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