コラム

2025年12月11日

犬の下痢の原因は?動物病院に連れて行くかどうかを見極めるポイント

犬の下痢の原因は?動物病院に連れて行くかどうかを見極めるポイント

愛犬が突然下痢をしてしまって、心配した経験ありませんか?
「すぐに病院に連れて行かなきゃ!」と心配された飼い主さんも多いのではないでしょうか?
そして動物病院に連れて行ったものの、心配するようなことは何もなかったという経験をお持ちの方もいらっしゃることでしょう。

成犬の場合、下痢をしても異常が認められない場合もあります。

ここでは、犬の下痢の原因についてご説明するとともに、動物病院に連れて行くべきかどうか迷った場合の見極めポイントについてもご紹介いたします。

下痢の定義とは?

そもそも下痢とはどのような状態の便のことを指すのでしょうか?

下痢の定義は、水分量が80%以上の状態の便のことをさします。
とはいえ、これは下痢なのかどうなのか?と迷う場合もあると思います。
動物病院を受診する際に、現物を持っているようであれば持っていき、持っていけないのであれば、写真を撮っておくようにしましょう。

下記にさまざまな便の状態とその考えられる原因について記しますので、下痢かどうか迷ったときの参考になさってください。

軟便

水分量が約80%の状態、いわゆる下痢と呼ばれる便です。
便をつかもうとしたら形が崩れるもの、床に便が残ってついてしまうような状態です。
もっと水っぽいものもあります。

血便

血が表面についている便の場合、大腸炎が疑われます。
また肛門付近が切れてしまっていることも原因と考えられます。

便に血が混じっている場合には、大腸より前の臓器に異常がある可能性があります。
例えば、出血性の胃腸炎、消化管疾患、寄生虫、肝臓病、誤飲などが考えられます。

タール便

黒くてベトっとした状態の便です。
小腸や胃などの消化器官で出血がある場合に見られる便です。

粘液(粘膜)便

スライムやゼリーのようなねっとりとした液体が付着もしくは混ざっている便です。
便が出てしまい体内になくなると、粘液だけが出てくる場合があります。
腸に炎症がある場合など、傷ついた腸壁を修復するため、粘液が過剰分泌されるために起こる現象です。

緑色の便

通常の便は、胆汁の影響で茶色〜こげ茶色です。
これは胆汁から出る成分を腸が吸収しているためです。

しかしながら、腸が吸収できなくなると便が緑色になります。
肝機能が低下している場合にも見られることがあります。

動物病院に連れて行くかどうかを見極めるポイント

まず、子犬や持病のあるわんちゃん、老犬の場合は、急変しやすいので、すぐに動物病院を受診することをおすすめします。

上記に該当しない健康な若いわんちゃんの場合は、まずはわんちゃんの状態の確認をしましょう。

いつもと変わりなく、下痢以外の症状が見当たらない場合は、少し様子を見ても良いでしょう。
冷えなど下痢の原因に思い当たるところがあれば、原因を取り除いてください。

また様子を見る場合には、消化の良いフードを与えて、水分もしっかりととるようにしましょう
ただし、次のような症状が見られる場合は、すぐに動物病院を受診するようにしましょう。

  • 血便が見られる
  • 何度も下痢を繰り返している
  • 嘔吐している
  • ぐったりしている
  • 震えている

犬の下痢で考えられる原因について

犬の下痢で考えられる原因について

犬の下痢には、さまざまな原因が考えられます。
内臓疾患やアレルギー、ストレスなどさまざまです。

ストレス

環境の変化や、分離不安、飼い主さんに執拗に怒られた場合、ストレスを感じて下痢を起こすことがあります。

冷え

クーラーが効きすぎている、氷を食べすぎたなど、腸が冷えたことによるものです。

寄生虫感染

回中や条虫などといった寄生虫感染によって下痢になることがあります。

ウイルス・細菌感染

犬パルボウイルス感染症・コロナウイルス感染症などといったウイルス、大腸菌やサルモネラ菌などといった細菌感染が原因の場合があります。

ウイルス感染はワクチン接種で予防できるものもありますが、ウイルス感染すると、発熱や嘔吐をともなうことがあります。

また細菌感染の場合には、発熱をともなったり、元気がなくなったりする場合があります。

内臓疾患

胃や大腸、膵臓などに炎症や腫瘍がある場合などに下痢が起こります。
この場合、元気がなくなったりします。

誤飲・誤食・食物アレルギーが原因の場合

下痢の原因が、食物アレルギーが原因の場合があります。

食いしん坊なわんちゃんの場合、飼い主さんが目を離したすきに何か口にしているかもしれません。

わんちゃんが口にすると良くない食品は次のとおりです。

  • 玉ねぎやネギ
  • ぶどう、レーズン
  • らっきょう
  • アボカド
  • ニンニク
  • ニラ
  • マカダミアナッツ
  • ビールなどのアルコール類
  • チョコレート、ココア
  • キシリトール

これらの食品は、口にした量によっては、命に関わることもあります。
わんちゃんが口にしたところを見た場合は、すぐに動物病院に連絡して、どのような対処をすれば良いのか指示を仰いでください。

またフードを変えたばかりで下痢を起こすこともあります。
フードを変える場合には、少しずつ新しいのを混ぜていき慣らして行くようにしましょう。

またいつもと変わらない食事であるにも関わらず、ある日突然アレルギーを発症することがあります。
食物アレルギーが疑われる場合には、普段の食事と変わりがないという事実に関しても獣医師に伝えるようにしましょう。

まとめ

大切な愛犬が下痢をしたら心配ですよね。
まずは慌てず、便の状態とわんちゃんの状態を確認しましょう。
わんちゃんが元気で、下痢以外の症状がなければしばらく様子を見ることもできますが、本文で挙げたような異常が見られた場合には、すぐに動物病院を受診するようにしましょう。

この記事の監修者

おおとりい動物病院 院長 獣医師 佐古田 良

獣医師 佐古田 良

おおとりい動物病院 院長

大田区のおおとりい動物病院です。
病気の相談、診療のみならず、食餌に関する素朴な疑問、日常のケアなど、どんなことでもお気軽にご相談ください。

医院情報
病院名おおとりい動物病院
住所 〒144-0034東京都大田区西糀谷2-11-5 グランドステータス西糀谷1階
電話番号03-6423-6747
ホームページhttps://ohtorii-ah.com/

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