この記事の監修者

獣医師 佐古田 良
おおとりい動物病院 院長
大田区のおおとりい動物病院です。
病気の相談、診療のみならず、食餌に関する素朴な疑問、日常のケアなど、どんなことでもお気軽にご相談ください。
| 医院情報 | |
|---|---|
| 病院名 | おおとりい動物病院 |
| 住所 | 〒144-0034東京都大田区西糀谷2-11-5 グランドステータス西糀谷1階 |
| 電話番号 | 03-6423-6747 |
| ホームページ | https://ohtorii-ah.com/ |
2025年11月26日
私たち人間と同じように、猫も尿路結石にかかるのをご存知でしょうか?
尿路結石になった方は、「尿路結石=痛い」というイメージだと思います。
人間にとっても痛みをともなう病気のひとつである尿路結石。
猫の場合はどうなのでしょうか?
愛猫家にとっては、大変気になりますよね。
ここでは、猫の尿路結石について、その原因と症状についてご紹介いたします。
目次
猫の尿路結石とは、どのような病気なのでしょうか?
尿路結石とは、尿のなかにできる石のような塊のことです。
人間と同じく、猫の尿も腎臓でつくられます。
尿には、カルシウムやマグネシウムなどといったさまざまなミネラルや老廃物が含まれています。
健康であれば、これらの成分は尿に溶けて体外に排出されます。
しかし、これらの成分が濃くなりすぎたり、固まりやすくなったりすると、小さな結晶ができてしまうのです。
この結晶がさらに大きくなり、砂や石のように固まったものが「結石」です。
結石は、砂のような小さな粒もあれば、大きいものであれば、直径数ミリメートル以上に成長することもあります。
尿は腎臓でつくられ、尿管、膀胱、尿道へとつながっています。
これらは全て尿の通り道であり、この通り道のことを尿管といいます。
尿管であれば、どの場所でも結石はできるのです。
結石が膀胱の壁を擦ると炎症や痛みを引き起こすことがあります。
また、結石が尿道を塞いで排尿を困難にすることもあります。
尿道を完全に塞いでしまうと尿道閉塞と呼ばれ緊急の対応が必要になります。

猫の尿路結石ができる明確な原因は分かっていませんが、一般的には、次のようなことが原因だといわれています。
猫の尿は、高濃度の酸性であるため、特定のミネラルやそのほかの物質が多いと結石ができやすいといわれています。
一般的に、オスの猫はメスより尿道が長く、詰まりやすい傾向にあるため、かかりやすいとされています。
猫の尿結石にはおもに2種類あります。
それでは、それぞれについてもう少し詳しく見ていきましょう。
ストルトバイト結石ができる原因は次の通りです。
マグネシウム、リン、カルシウム、塩化物、繊維を大量に摂取していると発生しやすくなります。
去勢された若いオスの猫は、ストルトバイト結石にかかりやすいとされており、食事療法で処方された処方食を食べることができれば、結石を溶かすことが可能です。
しかしながら、結石の大きさや愛猫の状態によっては、手術が必要なことがあります。
シュウ酸カルシウム結石ができる原因はおもに3つです。
おもに中年〜老年期の猫に比較的多く見られます。
シュウ酸カルシウム結石は、食事療法では溶かすことができないため、カテーテルや手術等で取り除く必要があります。
以前は、ストストバイト結石の発症がほとんどを占めていたので、ペットフードメーカーはこぞって酸性の食事をつくりました。
これによりシュウ酸カルシウム結石が増加したといわれています。
次に尿路結石の症状について見ていきましょう。
はじめは、頻繁に排尿する様子が見られますが、細かい尿が出る、もしくは数滴しか出ない、全く出ないといった症状です。
また排尿しようとすると泣き叫ぶなど、かなり痛みをともなっている様子が見られます。
そのうち尿道が完全に閉塞し、排尿できなくなると、1日から2日で体内に毒素が蓄積されます。
そして、元気喪失、食欲不振、嘔吐、下痢、脱水症状などが見られ、そのうち昏睡に陥り、約3日以内に死に至ります。
尿道閉塞の症状が見られたら、かなり緊急の状態です。
完全に詰まってしまうと、膀胱を空にすることができなくなるため、腹部が圧迫され極度の痛みをともないます。
閉塞が解消されなければ、膀胱が破裂することもあります。
尿道閉塞の症状が見られたら、すぐにかかりつけの獣医師による受診が必要です。
猫の尿路結石の予防に一番効果があるのは、水分摂取量を増やすことです。
自動給水機を数台置いて、いつでも新鮮な水が飲めるようにします。
また、チキンやツナの味が少しだけするフレーバーウォーターを与えることも、尿が濃くなるのを予防する効果があります。
このほか、尿サンプルの定期的なチェックや、膀胱の超音波検査もおすすめです。
早期発見につながります。
また猫によく運動をさせたり、トイレを清潔に保つことも予防のひとつです。
猫の尿路結石の治療は、おもに2つあります。
外科的治療と処方食により石を溶かす方法です。
処方食は猫が食べなければ効果を期待することはできません。
その場合、外科的治療しか方法はありません。
愛猫が痛い思いをしないよう、日頃から食事に気をつけたり、水分摂取を心がけるなど、飼い主さんができることは多々あります。
飼い主さんの愛で、愛猫を尿路結石から守りましょう。

獣医師 佐古田 良
おおとりい動物病院 院長
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