この記事の監修者

獣医師 佐古田 良
おおとりい動物病院 院長
大田区のおおとりい動物病院です。
病気の相談、診療のみならず、食餌に関する素朴な疑問、日常のケアなど、どんなことでもお気軽にご相談ください。
| 医院情報 | |
|---|---|
| 病院名 | おおとりい動物病院 |
| 住所 | 〒144-0034東京都大田区西糀谷2-11-5 グランドステータス西糀谷1階 |
| 電話番号 | 03-6423-6747 |
| ホームページ | https://ohtorii-ah.com/ |
2025年10月17日
いざ犬を飼ったら、実は犬アレルギーだった!
こんなショックなことってないですよね!?
「犬を手放すかどうか・・・」といった悲しい選択を余儀なくされる方もいらっしゃるかもしれません。
しかしながら、犬アレルギーの原因について熟知し適切な対処をすることで、症状を緩和できるとしたら?
ここでは、犬アレルギーの原因や、犬を迎える前にしておくべきこと、また実際に犬と暮らすうえで注意すべき点などについてご紹介いたします。
目次
犬アレルギーとは、犬の唾液やフケ、抜け毛などに多く含まれる物質をアレルゲンとした疾患のことです。
犬アレルギーを発症してしまうと、犬と接触することはもちろん、犬と同じ部屋で過ごすだけでもアレルギー症状が引き起こされます。
すでに犬と暮らしている人であっても突然、発症することもあるので注意が必要です。
それでは、犬アレルギーはなぜ起こるのでしょうか?
原因となるアレルゲンは、リポカリンとアルブミンというタンパク質です。
リポカリンは、犬の皮脂や唾液、毛などに含まれており、ほこりに付着して空気中に漂います。
アルブミンは、犬だけでなく人や猫といった動物の体内に存在していて、犬以外の動物に対するアレルギーを発症する可能性もあります。

犬アレルギーの症状についてみてみましょう。
犬アレルギーの初期症状としては3つあります。
鼻の粘膜についたアレルゲンを取り除こうとして発症する症状です。
風邪やインフルエンザのときのくしゃみよりもアレルギーのくしゃみは回数が多いのが特徴です。
風邪による鼻水は粘性が高く、ウイルスが原因となっているため黄色や黄緑色であるのが特徴です。
一方、アレルギーの鼻水は粘り気がなくサラサラとした水のような透明なものが止まらずに排出されるのが特徴です。
体のなかから異物を体外に追い出すために出る反応です。
咳は体内に入った異物を排出しようとする反射です。
そのため、健康な状態でも煙やほこりを吸い込んでしまうと咳が出るのです。
刺激により気道に炎症が生じると咳が強くなったりします。
さらに症状が進むと、次のような症状も見られるようになります。
そして、さらに症状が進むと、次のような重篤な症状が見られるようになることもあります。
新しく犬を迎える前にやっておくべきことは、自身や家族が犬アレルギーがないかを確認することです。
一旦犬を家族に迎えれば、15年もしくはそれ以上一緒に過ごすことになります。
犬を迎えたあとに、もし家族のうちの誰かが犬アレルギーであったら?
愛犬との暮らしが困難になります。
「自分は大丈夫!」と過信をせずに、家族全員のチェックをしておきましょう。
そのためには次のような方法が有効です。
犬を連れた飼い主さんが多いドッグカフェでは、同じ空間にいる状況を体験できるので、犬アレルギーチェックができます。
お知り合いに犬を飼っている方がいらっしゃるようであれば、犬と遊ばせてもらうのもひとつの方法です。
犬アレルギーのチェックができるとともに、犬と生活するイメージもできます。
実際に犬を飼い始めたあとの参考にもなりますし、見学時、犬を触らせてもらえることもあります。
ペットショップやブリーダー、動物愛護センターなどで、子犬の食事やトイレについてなどもチェックすることができます。
また実際にお迎えするとなれば、どのような点に気をつければ良いのか、何を用意すればよいのかなど聞いておくと良いでしょう。
すでに犬と暮らしているにも関わらず、突然アレルギーを発症することがあります。
症状を軽減するために、まずは医療機関で受診しましょう。
それと並行して、次のような点にも注意しましょう。
犬を触った手で目や顔を触らないようにしましょう。
触った部分に痒みなどの症状が現れることがあります。
犬を触ったあとは、必ず手洗いをしましょう。
また体内にアレルゲンが入るのを少しでも軽減するため、うがいもお忘れなく!
犬のフケや毛などのアレルゲンが室内に留まらないように、室内の換気や掃除はこまめに行ないましょう。
犬の毛がたくさんつく犬のベッドなどは、こまめに洗濯したり買い替えたりするように心がけましょう。
犬が入っても良い場所を決めておくことで、犬と触れ合う時間を制限することができます。
犬と触れ合う時間が短くなれば、アレルギー症状のリスクを少し減らすことにつながります。
定期的にシャンプーを行なうことで、犬の体を清潔に保ち、犬の被毛についたアレルゲンを減らすことができます。
とはいえ、過度はシャンプーは、犬の被毛や皮膚にはあまりよくありません。
月に1度程度を目安にしましょう。
また散歩から帰ったときも、犬の体や足の裏を拭いて清潔を保ちましょう。
ブラッシングは毎日行ないましょう。
また家中に毛が飛び散ることを防ぐために、ブラッシングする部屋も決めておくと良いでしょう。
犬を飼いたいけど、犬アレルギーが不安という方、犬アレルギーが出にくい犬もいます。
例えば、長毛の犬種よりも短毛の犬種のほうが、シャンプーや抜け毛の掃除が簡単です。
そのため、お部屋や体を清潔に保ちやすいため、比較的症状を引き起こしにくいとも言われています。
ただし、引き起こしにくいというだけで、決して引き起こらないというものではありませんので、上記に挙げた注意点についてもしっかりと気を付けることが大切です。

獣医師 佐古田 良
おおとりい動物病院 院長
大田区のおおとりい動物病院です。
病気の相談、診療のみならず、食餌に関する素朴な疑問、日常のケアなど、どんなことでもお気軽にご相談ください。
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